読むたびに散々文句を言っているくせに、新刊が出るとそそくさ買ってしまう「心霊探偵八雲シリーズ」。
5巻も、電車の吊り広告で新刊が出るとみるやいなや、本屋さんに寄ってしまった。しかもそこには売ってなくて、3件も梯子した挙句、3件目では店員に聞き、あっさり「売り切れました」と言われ、そんな売り切れるほど人気なんかい、あれで!?(酷い言いよう)、ときれつつ、次の日に大手の本屋で買ってしまった・・・
それはともかく、八雲の出生の秘密が分かる事件が内容だった。
心霊関係のテレビ撮影にて、廃墟となった当時殺人事件が起こった屋敷に、幽霊が現れる。
その殺人事件自体、まだ犯人が決まっていなくて、そんな折に失踪中の容疑者が現れる。
そんなこんな訳で、その幽霊事件から洗いだそうと、例によって八雲に助言を求めに行くのだが、そのビデオを見た途端、八雲は失踪してしまう。
その上、事件現場の屋敷に行った後藤刑事まで誘拐されてしまったのだ。
こうして、晴香と石井刑事と真琴がその二人を探しつつ、事件を追うこととなった。
そんな中で、晴香の母親と八雲の母親が実は友達だったことが分かる。
まぁ結局は、両目が赤い男が諸悪の根源で、八雲も後藤も戻ってこれてめでたしめでたし、で終わるのだが・・・
なーんか、由貴香織のカインシリーズと同じ匂いがするよ~
親子の確執、母親が子供に憎しみ(恐れ)を抱いて精神錯乱する、目が特殊、父親が諸悪の根源・・・
ま、主人公の心のよりどころ(?)が男性でなく女性(しかも彼女が彼が好き)ってのが、少女マンガと違うのねって感じだけど
どうやらこのシリーズ、舞台にもなり、ドラマにもなり、映画にもなり(確か)、相当人気なのね~って感じだけど、どこがそんな人気となっているのか気になる。
と、新刊出るとなんとなく買ってしまう私が言えることでは全くない気がするが、逆になんとなく買ってしまうからこそ、なんでなのか気になる。
多分、八雲が“暗い過去があり、ひねくれてるけど、心根は優しく繊細で、でも毒舌で素直じゃない”というポイントを押さえたキャラだからってのが大きな要因の一つだと思う。少なくとも私にとっては。
「逃げられたんだよ」
p66-67
後藤は、苛立ちを抑えながら言った。
「よく聞こえませんでした。もう一度」
八雲が、わざとらしく手を耳に当て、聞こえないとアピールする。
いつもは声がデガイと文句を言うクセに、本当にムカツク野郎だ。
「だから……逃げられたんだよ!」
「なるほど。運動不足の短足刑事では、逃げられて当然ですね」
ってかわいいじゃないかYO!
んーまーでも、映画化とかされるほどのものかの疑問はまだ残るけど。
(神永学 「心霊探偵八雲5 つながる想い」 平成21年 角川書店)
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