なんとなく気になってしまって買った「心霊探偵八雲」シリーズ1巻。そのまま2巻買い、3巻はブックオフで買ったものの、文庫版出たら買うかもなぁ~と思っていたら、意外にも買わず。となるとこれ以降このシリーズは買うことはなかろう、となんとなく思っていた。
ところが! 電車のつり広告で4巻目が文庫になった広告を見てしまい、矢もたてもたまらなくなって買ってしまった・・・ 恐るべし広告の力よ。
帯には「シリーズ累計70万部突破!」とそれが実際にすごいんだかなんだか分からないけど、ものすごい売れている!って感じで書かれているが、本当に本当に売れているのだろうか?
と購入している私が言うのもなんだが、とにかく話はそんな面白いと思わない。じゃあ、なんで買ってるのか? ただ表紙が好きなだけです。ははは。マンガっぽいがいいの!
今回の舞台は、晴香の教育実習先の小学校。そこのプールがある所はかつて体育館で、その昔、小学生が火遊びをして死んでしまった場所であった。例によってそこに霊が出ると噂があり(おっとこれはシャレではなく!)、ついでに晴香が受け持つクラスに「自分は呪われている」と言い張る問題児がいて、その子がその霊が見えると言い張る。そこで八雲登場と相成るわけだ。
それと同時進行で、父親殺しで捕まった犯人が精神鑑定を受けている時に逃走してしまう事件が起き、後藤刑事が奔走している。
そんな中、八雲が晴香に連れられて件の小学校へ赴き、霊に案内されたプールのボイラー室で死体を見つけるのだった。そしてその死体がどうも、逃走中の犯人みたいなのだ。
最後はいつも通り、あんまりヒネリない終わり方で、なんとなく犯人だとかが途中で分かってしまう展開となっていた。
んー 本題と関係ないのだが、私はどうしても石井が嫌いでしょうがない。例えばこんなシーン;
石井は、複雑な心境で、校舎の壁に背中を預けて座る晴香を見ていた。
p117-118
彼女に久しぶりに会えたのは嬉しい。だが、その横顔にいつもの微笑みはない。真っ青な顔に、痛みを堪えるような表情を浮かべている。
無理もない。死体を見てしまったのだから、誰でもショックを受ける。…(中略)…
何とか勇気づけたいと思うのだが、こういうとい、女性にどういう言葉をかけていいのかも分からない。
なんて虫唾が走る!! 京極夏彦の京極堂シリーズの関口君といい、どうやらヨワッチョロイ男性が女性を心配したり憐憫の情を抱くのに対して、とんでもなく拒否反応を示すみたいだ。特に“女性にどういう言葉をかけていいのかも…”ってのが、作者の女性を下に見てる感が出てる気がしてならないのだ。考えすぎかね。
とまあ、文句ばかり並べ立てたが、いいところはというと。
月並みだが、八雲はいい。片目が赤かったり、霊が見えるという設定だとか、ひねくれた性格だとか、お決まりっちゃあお決まりだが、でもいいキャラなのは否めないのだ。というか「心霊探偵」という設定はいいと思うんだけどなぁ。それが故にもったいない感がしてしょうがない。
うーん 次も出たら買っちゃうのかなぁ~
言い訳じゃないけど、絵柄とか装丁とか妙にツボなんだよなぁ~~
(神永学 「心霊探偵八雲4 守るべき想い」 平成21年 角川書店)
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