晶さんと43万円(犬)は前回で仲良くなったと思ってたけど・・・:加藤実秋 「インディゴの夜 ホワイトクロウ」


絶好調にさくさく読み進めています“インディゴの夜”シリーズ。
すっかりはまってしまいましただ。なんか柴田よしきの“花咲シリーズ”並みのはまりよう。
とはいっても、“花咲シリーズ”のように特定の登場人物好きーーー!はないけど・・・

ま 強いて言えば、晶さん好きです。
でも今回は晶さんの出番がちょっと少なかった。残念。
今までは晶さん視点だったのに、ほとんど三人称だったうえに、ホストたちが主人公。時には晶さんが全然からまない・・・ 残念

「神山グラフィティ」

主人公はジョン太。そこで働く可奈ちゃん目当てに定食屋に通う。
ある日、いつもの通りそこへ赴くと、その商店街一帯、落書きされているところに遭遇する。
可奈ちゃんにいいところを見せたいジョン太は(ちなみに誰もジョン太がホストと知らない)、その犯人を見つけ出すことを宣言する。
ホスト仲間のDJ本気を巻き込んで見張ることになるのだが、頭殴られ気を失い、しかも可奈ちゃんまで姿を消してしまったのだった!
可奈ちゃんの過去の友達が絡んだ事件。

「ラスカル3」

ある日所属するジムに行くと、会長がやくざにだまされ、賭博で大損して身柄を拘束されていることを知る。
なんとか助けてやりたいが、向こうの指定する1千万円をそろえることができなければ、条件をのむこともできない。
そのやくざがあくどい商売をしていることを知ったアレックスたちは、そこに強盗に入り1千万円をそろえることにする。

「シン・アイス」

仕事帰りに立ち寄る公園で青年・タクミと顔見知りになった犬マン。
ある時、二人でホームレスが殺害されている現場に出くわす。近くに住むホームレスが犯人として逮捕されてしまったが、タクミは彼が犯人でない、と言い張る。
成り行きで犯人探しに巻き込まれた犬マン。殺されたホームレスが持っていた記事の切り抜きを手掛かりに、再開発に反対して土地を売らないという、薬局屋の母娘にたどりつく。
だけど、彼女たちにはどこもあやしいところがないみたいで・・・

「ホワイトクロウ」

club indigoが改装することになった。
というのは馴染みの客に、今をときめく建築家・笹倉壮介の事務所で働いており、その子が口をきいてくれて、その建築家に改装を依頼することになったのだった。
ところが改装工事の途中に、仲介役をかって出た張本人の白戸仁美が失踪してしまう。
その途端はかどらなくなる改装工事。
心配になったclub indigoの面々は、白戸仁美を探すべく、笹倉壮介が手掛けた建築を見て回ったのだが、そこであることに気づく。

最後の話は、前3話に出てきたキャラがちょこちょこ出てきて、ボーナストラックチックになってました。実際この話だけ書き下ろしだったし。
そこでやっと晶が出てきて;

 低く甘い声で憂夜さんが解説した。どうやら美術やデザインにも造詣が深いらしい。今さら驚きはしないが、そういう彼は茶のレザーブルゾンに藤色のスラックス、脇の下にオレンジのオーストリッチのセカンドバッグを挟むという出で立ちだ。浅草あたりの繁華街で似たような装いの殿方を見かけるが、色相学的にはどうなのだろうか。

(p182)

とコメントしているのを読んで、“これがなくちゃね!!”とテンションが上がってしまいました。
さっきはこのシリーズに特定の人スキーってのがない、なんて書いたけど、やっぱウソでした。
私、晶さんが描く憂夜さんが好きです!それか、憂夜さんをつっこむ晶さん。
せっかく普段はなかなか主眼に置かれないホストたちが主役だったんだから、彼らから見る晶さんや憂夜さんをもっと出してほしかったなぁ~

だから、今回はちょっとがっかりです。ということで、早く続き出してください!!!!!!!


加藤実秋 「インディゴの夜 ホワイトクロウ」 2008年 東京創元社

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