フェルメールに関する記事を書くのに際して参考にした本のうち、おすすめのものをご紹介します。
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初心者向け~フェルメールのことをまったく知らない、もしくは展覧会で数点しか見たことない人向け~
『もっと知りたい フェルメール 改訂版』小林賴子 東京美術 2017年
フェルメールのことを知りたい、と思った場合に、まず読んでもらいたい本。
フェルメールが活躍した時代はどんな世界情勢だったのか、から始まり、作品を時系列に「物語画家を目指して」「風俗画家への転身」「成熟の時代」…とフェルメールの画家としてのライフステージに沿ってテーマを設けて紹介してくれています。
オールカラーで分かりやすいのがポイントです。
『フェルメールへの招待』小池寿子監修 朝日新聞出版 2012年
主要な作品に関して、鑑賞ポイントが書かれているので、展覧会に行く前に読むといいかも。特に、一部を原寸大に拡大して見せてくれたりして、フェルメールのディテールの細かさが見えるのもgood pointです。
その他の作品に関しても、簡単な鑑賞ポイントが抑えられています。
中級者向け~フェルメールの作品は既にいくつか見て、基本的な知識を持っている人向け~
『フェルメール 静けさの謎を解く』藤田令伊 集英社 2011年
「なぜフェルメール作品は静けさを感じるのか?」という視点で書かれた本で面白かったです!
フェルメールの作品を見て静謐なイメージがわくけれども、それがなぜなのか、論理的に考えたことがなかったので、非常に興味深かったです。
語り口調も読みやすいというのもポイント。
『フェルメール 16人の視点で語る最新案内』榎本市子他・編集 美術出版社 2014年
残念ながら常備?されている本という訳ではなさそうだけれども、タイトル通り色々な人の視点から、フェルメールが語られていて面白かったのであげておきました。
16人というのが、画家、修復家、学芸員、館長、映画監督等々と本当に色んな方たちで、それぞれの視点からフェルメールの魅力を語っています。
薄い本なので、語られている内容が濃いわけではないけれども、複眼的に見れるという点では濃いかも。
『フェルメール巡礼』朽木ゆり子・前橋重二 新潮社 2011年
フェルメールの作品は37作品ほど、という寡作ぶりは、制覇しやすい数でもあって、フェルメール愛好者の中にはフェルメール制覇が目標にもなっているもよう。朽木さんは全作品制覇された方の一人。
タイトルが示す通り、本書では美術館ごとにフェルメール作品が紹介されていてます。もちろん、フェルメールに関するちょっとマニアックなことも書かれているけれども、美術館についてであったり、美術館がフェルメール作品をどう取得したのかといったいきさつが書かれているのも本書の特徴かも。
『深読みフェルメール』朽木ゆり子・福岡伸一 朝日新聞出版 2012年
フェルメール好きと有名な生物学者・福岡先生もフェルメール制覇された方。前述の朽木さんと福岡先生という、二人のフェルメールラバーによる対談なので、マニアックな話や、二人の考えなども交わされていて面白かったです。
福岡先生は『フェルメール 光の王国 (翼の王国books)』というフェルメールをめぐる紀行文も書かれていて、こちらも面白かったです。
『フェルメール最後の真実』秦新二・成田睦子 文藝春秋 2018年
フェルメールの作品についての本ではなく、フェルメール展企画についての本です。著者の方が、日本で初めてのフェルメール展「日蘭交流400周年記念特別展覧会 フェルメールとその時代」展を企画・開催された方なので、その裏話もたっぷり語られています。
めちゃくちゃ面白くレビュー(というか感想文?)を書いたので、こちらも参考にしてください。
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