次で最後だと思うと、読むのが惜しい気がする:Steig Larsson “The Girl Who Played with Fire”


なんやかんやと言いながら、“The Girl with the Dragon Tattoo”が面白かったので読み終わって即座に続編:”The Girl Who Played with Fire”を買ってきてしまった。
さすがに英語は一気読みというわけにはいかなかったけれども、ぐいぐい読めるくらい面白かった~
特に今回は、映画という予備知識はないのに、ここまで読めたのは相当面白かったんだと思う。

物語は、Salanderが前作でかすめとった大金を使って豪遊しているところから始まる。ちなみに前作よりも2年弱経っている設定。

Blomkvistに恋をしてしまったSalanderは、自分的にありえない!となったのか、Blomkvistを避ける避ける。ついには海外へ逃亡してしまう。

そこで妻を毎晩ねぶる夫にでくわして、ある嵐の晩に妻を殺そうとしているのを見つけ、妻を助け、夫を置き去りにしてしまう(結果、夫は波にのまれて死んでしまう)、なんてことが起きて、これがキーになるのかと思いきや、最後までまっっったくもって出て来なかった。

それはともかく。
最終的にスウェーデンに戻ってきたSalanderは、豪華なアパートに住み始め、今まで住んでいた家はレズビアン仲間のMimmiに貸してしまう。

一方、Salanderに拒絶されまくっているBlomkvistは、何が理由か分からないまま、とりあえず距離を保つことにする。

そんな折にMillenniumに、ストーリーを買ってほしいというジャーナリストが現れる。スウェーデンにおける、セックストレードについてのスクープを持ってきたのだ。なんでも彼のパートナーは、そのことについて論文を発表する予定があるとのことで、つまりカップルで、メディアの目からと学問の目で同じことを取り扱っているのだ。

そんな訳でBlomkvistは、彼を助けることになったのだが…

ある晩、そのカップルの家を訪ねると、二人は無惨な姿で見つかった。
指紋の鑑定によると、なんと、犯人はSalanderとなってしまった!!!
警察の捜査の結果、SalanderのガーディアンであるBjurmanも殺されており、同一犯人による犯行であることがほぼ確定。

スウェーデン全体でSalanderを探すが、その行方は杳と知れず…
ただBlomkvistはSalanderの潔白を信じ、真犯人を探そうとするのだった。

面白いな、と思うのは、この犯人が見つかるまでは、散々SalanderとBlomkvistの視点を交互に描いていたのに、この事件が起こると(ちなみに本の中盤頃に事件が起こる)、ぴたっとSalanderの様子が描かれなくなる。

読者としては、Salanderがカップルを訪ねた、というところまでは分かるので、やきもきするばかり。

やっと分かってくるのが、ハッカーであるSalanderに当ててBlomkvistが知恵をしぼって自分のPCにメッセージを残すころ。それに対してSalanderからの返事が返ってきた時から、Salanderの視点が始まる。

今回の事件はSalanderの出生にまつわる話で、Salanderの謎に包まれた経歴も分かって一層面白かった。

そしてやっぱりピッピが出てきて、Salanderの前のガーディアンが”She may be hard up, but she’s a servivor”と言ったのに対してのBlomkvistの頭の中での独り言が;

Not that hard up. She stole almost three billion kronor. She is not going to sterve. She has a bag full of gold, just like Pippi Longstocking.

(p568)

Blomkvistは何かにつけSalanderのことをピッピというが、自分もカッレと呼ばれてる身。なんか愛らしいな…と思ってしまった。


Steig Larsson “The Girl Who Played with Fire” 2006, Maclehose Press

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